東京目黒「鳥しき」 – 予約の取れない名店に訪問。感想と焼鳥店に関するあれこれ

by Michelle
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日本一予約の取れない焼鳥店と噂の「鳥しき」。東京・目黒にある名店に、念願が叶ってようやく訪れることができた。
大満足のお料理、困難な予約について、簡単に鳥しきを味わう方法などご紹介したいと思う。(焼鳥店に関するちょっとしたひとりごとは最後に記載。)

 

 

鳥しきのストーリー


2007年1月に開店し、2010年にミシュラン一つ星を獲得した鳥しき。店主の池川義輝氏は、「プロフェッショナルの流儀」(NHK)出演でも語っていたように、こだわりの「近火の強火」による焼鳥を提供し続けている。

17席のカウンターは連日満席。予約は2ヶ月先までいっぱいだ。
元々中目黒の鳥よし で修行を積んだという池川氏。その前は大学を出てサラリーマンをしていたそう。
生涯現場で焼き続けたいという思いもありつつ、弟子たちの成長と独立をあと押しするため、2017年からは鳥かどや六本木ヒルズ内の鳥おかなど分店を出している。

 

 

メニューはおまかせのみ


鳥しき_かしわ

鳥しきのメニューはおまかせのみ。ストップをかけるまで永遠と提供される絶品の串たちに、腹八分になってもまだ食べ続けたいと思ってしまった…

大好きな砂肝は絶妙な食感で、軟骨入りのつくねは他店でよくいただくような卵もたっぷりのたれもいらない。
どれもどうしてこんなに完璧に仕上がるのか不思議でたまらない味わい深い串。

鳥しき_食感が絶妙な砂肝鳥しき_軟骨入りのつくね

鶏肉に限らず、たまにおいしい焼鳥店で出てくる中が半熟のうずらの卵も最高だ。
お肉の合間に出てくる厚揚げや季節のお野菜など、ただの箸休め的な物ではなくどれをとっても主役級。

鳥しき_中が半熟のたまごの串鳥しき_厚揚げ

そのまま手でどうぞと言われた熱々のとうもろこしも粒のひとつひとつが弾けるように新鮮で、火傷しそうになりながらもあっという間に食べてしまった。

鳥しき_季節の野菜とうもろこし鳥しき_ちょうちん

どんなにお腹がいっぱいでも最後の〆まで食べたいタイプ。〆にはとり茶漬けと親子丼をそれぞれオーダーした。
親子丼はとろけるような濃厚な黄身…たかが親子丼。されど親子丼。家で作るのとは大違いで、自粛明けの外食は身に染みるほど感動的だった…。

鳥しき_〆のとろとろの親子丼

気になるお値段だが、おなかいっぱいに〆まで食べて、飲んで一人15,000円いかないくらいだったはず。
和の名店に行くともっとお値段がするイメージだが、食べる量によっては10,000円程度で満足のいく食事になるのでは。

全席カウンターでお客とお店の方々と距離は近いが、接客は付かず離れずといった心地よい距離感。
箸休めの大根おろしはさりげなく足され、お手洗いに席を立つと、戻ってきたときにおしぼりが渡されるなど、たまに海外の友人を連れて日本で食事すると、こういったサービスに感動されることが多い。

焼鳥は串に刺した肉を焼く料理と言ってしまえばとてもシンプルに聞こえるが、日本ならではの和食文化のひとつだと思う。お料理の味、そして店の雰囲気や接客含めて日本のこう言ったお店がミシュランにも評価されているのは、同じ日本人として嬉しい。

 

 

 

困難な予約。受け付けは毎月1日18時開始


ぜひまた行きたいと思う鳥しきだが、行きたいからと言って予約が取れなければ無理。
予約の受付は電話のみ。毎月1日の18時から、2ヶ月先の予約までを受けている。

元々、入れ替え制と聞いていたが、私が訪れた時は制限時間を設けていなかった。そのため18時に入店し、22時過ぎまで食事をしていた私たち。長居してしまって申し訳ないという気持ちもありつつ、美味しくてつい食が進んだのだった。
お店の方によると、たまに当日20時半くらいから入れることもありますとのこと。となれば、また都内に安心して足を運べるようになったら当日チャレンジもしてみたい。

 

 

おうちで味わう鳥しき


18時の開店と同時に入店した際、すでに池川氏はずらりと並ぶ串を焼いていた。「え?もう?」と最初は疑問に思ったが、並んだ串は全てお弁当用だった。

17席という限られたカウンター席を確保できなかったとしても、鳥しきの味を味わうことができるのがお弁当(2,800円)。私たちが食事をしている間にも、たくさんのお客がお弁当を取りに来ていた。中には当日ふらりと買いに来る方も。

お店に伺う前に、以前一度だけいただいたが、焼鳥、お野菜、そぼろなども入っていて大満足の内容はぜひまた食べたい。
予約が取れなくて悶々としている方も、まずはお弁当からぜひ。

 

 

ここだけの話


ここからは私のひとりごと。

今回鳥しきに訪れた際に、飾ってあったとあるお皿が気になった。

鳥しき_飾ってあるたて森のお皿

私が座った席でなければ目に止まらないかもしれないが、どこかで見たような気がしたこのお皿。
尋ねてみると、やはり正解。銀座「ヨシモリ」で使われているお皿だった。

店主建守さんの海外での挑戦のため、惜しまれながらも閉店した銀座の焼鳥店「たて森」から、飾ってくれと言われて置いているとのこと。その「たて森」閉店後、息子さんが引き継いで営業しているのが「ヨシモリ」だ。大好きな焼鳥店でいろんな友人に勧めているお店。そんな繋がりにふとまたヨシモリに足を運びたくなった。

やはり焼鳥店ごとに色々と付き合いもあるようで、神奈川県の「里葉亭(りばてい)」の話題も出ていた。正直、里葉亭は脂身が多くて胃もたれしてしまい、個人的にはもう行くことはないと思っていたが、有名店であることには違いない。

お店のお客の中には、こちらの本 に店主の池川義輝氏のサインをお願いしている方もいた。

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焼鳥というとカジュアルな印象が強いジャンルだったが、近頃は随分と洗練された店が増えているのも事実。
お気に入りについ何度も足を運んでしまうところがあるが、鳥しきに足を運んだことによって、色々な焼鳥店を食べ歩いてみたいと思ったのだった。

 

鳥しき_外観

 

基本情報

 

鳥しき

〒141-0021 東京都品川区上大崎2-14-12 【Google Map】
TEL:03-3440-7656 
営業時間:18:00 – 23:00(月曜定休)

 

 

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