「僕またここに行きたい。」
もうすぐ4歳になる息子が写真を指差しながら思い出を語り出したのは、山梨県にある人口700人の村、小菅村への旅行のこと。村全体がホテルという素敵なコンセプトにわくわくしながら向かったところ、期待以上の素晴らしい体験ができた一棟貸しホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村 崖の家 」について紹介したい。
私が幼稚園生の頃、園でお芋掘り体験に行ったのを覚えている。普段都会でコンクリートと高層ビルに囲まれて育つ子供たちにとって、土に触れる農業体験は非日常。インターに通う息子は収穫体験などの遠足がなく、プライベートでどこかで体験させたいと兼ねてから思っていた。そんなとき、知ったのがNIPPONIA 小菅 源流の村 崖の家の宿泊プラン。無農薬野菜の収穫体験、温泉、アスレチック、魚釣りなど、宿泊を通じて村で体験できることがたくさん。Instagramでもものすごく反響があったので、詳しく記事で触れていこうと思う。(正直ラグジュアリーホテル以上にDMもコメントもいただいた)
【 Contents List 】
1.自分で採ったお野菜を食べるという特別な経験を。
親子での無農薬野菜収穫体験
チェックイン時刻、15時ちょうどに車で宿に到着。お部屋の中で手続きを済ませて最初に向かったのが、徒歩3分の無農薬野菜畑だ。boyこと息子はMARL MARLのプレイウェアにファミリアの麦わら帽子、Bonpoint×Hunterコラボのお気に入りブーツ(本人というより、母である私のお気に入り)に身を包み、準備万端で畑に向かった。
ウェブ上では長靴などの貸し出しもあると書いてあったので、訪れる前に宿に直接確認を。
今回お世話になったのは、小菅村に移住したぼんちゃん(ニックネームだが、息子はいまだに彼の名前を口にしては収穫体験のことを話している)。野菜の種類や採り方、種の植え方まで丁寧に説明をしてくれたおかげて、私たち夫婦がサポートしなくても息子はぼんちゃんといろんな野菜を収穫していた。
中でも貸し出しの軍手をはめて、一生懸命土を掘り起こして採ったジャガイモは特別だった模様。後日、普通の芝で子供同士で遊んでいたときに「ぼく、ジャガイモ掘る」と土を掘り出してつい吹き出してしまった。
これほど強烈に彼の中で印象深い思い出になったこと、そして汚れるのが嫌いな潔癖くんが土と親しくなったこと、親として最高に嬉しく、宿に感謝している。
畑でお野菜を採ったあとは、崖の家のすぐ裏にあるハーブ園でバジルやタイム、フレッシュなミントなども採らせてもらい、私自身も楽しい収穫となった。
作業が終わった頃には気持ちの良い汗と、空にかかった虹がなんとも清々しい気持ちにさせてくれた。心地よい疲労感とはまさにこのこと。
2. 家族みんなで囲うちょっと特別な食卓
NIPPONIA 小菅 源流の村には、2つの宿泊タイプがある。大人しか泊まれない地産地消のお料理を味わえるオーベルジュの大屋と、晩ご飯を自炊する一棟貸しタイプの崖の家だ。
私たちのように子供連れで泊まる家族は崖の家一択なのだが、自炊と聞いてちょっと面倒だなと思ったそこのあなた。ご安心を。
2,200円/人の追加料金で大家のレストラン「24sekki」料理長の監修した本格的な料理キットを予約時に手配が可能。収穫体験の採れたて野菜は、備え付けのiPadにある数多くのレシピ集から好みの料理を選んで参考に作ることもできる。調味料も調理器具もこれまで泊まったどの一棟貸しの宿よりもしっかり揃っていたので、手ぶらでも問題なし。強いていうならば、あまりにお野菜が美味しかったので、お味噌汁を作るためのお出しや味噌があればよかったなぁ…という程度。
普段料理をしない夫が息子と一緒にお米を研いだり、野菜を切ったり、家族みんなでわいわい料理をする機会も珍しい。私にとっては楽しいひと時となった。お手伝いブームの年齢の息子はやってみたい!の連続で、自分で採ったジャガイモを揚げ焼きにしてホクホクのポテトを作ったり、満足気だった。
私にとっての旅の楽しみの一つは食。ごはんが美味しいだけで幸せな気分になれるし、その土地ならではの食材で満たされたときは、わざわざ足を運んでよかったと思える瞬間。
控え目に言って、子供と一緒にこの日囲んだ食卓は最高で特別な思い出だ。
3. 無料で楽しめるアスレチック
宿から車でたった5分の場所にある道の駅。そこに併設されているアスレチック施設「フォレストアドベンチャー こすげ」は、身長110cmから楽しめる本格的なアスレチック場。
残念ながら身長制限110cmに満たない息子はアスレチックを楽しめないのかと思いきや、無料で利用できるキッズエリアを中心に、くたくたになるまで汗をかいて楽しんでいた。10分500円の有料のトランポリンや、リングを投げるティキトスなど、小さな子供でも楽しめるので、身長制限に臆せずぜひ足を運んで欲しい。
4. 夏は川遊びもできる!マス釣り体験
「小菅フィッシングビレッジ」ではニジマス・ヤマメ・イワナなどの釣りが体験できる。息子は、小菅村で初めての魚釣りデビュー。車でも乗り付けできる河川で、マス釣りを親子で楽しんだ。
実は真っ白なTシャツで挑んだ釣り初心者の私は、釣った魚の返り血を浴びて怯んだりしていたのだが、こんな経験家の近くではできないので嬉しい限り!
小菅産の美味しい魚を食べたい方は、土日限定の塩焼きサービスもおすすめ。普段あまり魚を好んで食べるタイプではない息子が一匹ペロリと平らげ、自分で釣った魚、命を大切にいただくということを改めて会話する機会となった。
夏場には川遊びも解禁されると聞いて、次回はその時期に合わせて来たいなと思っている。予約はできないので、早めの時間に訪れるのがお勧めする。
5. 宿泊者は無料で利用できるとろとろの温泉
10時から夕方18時まで営業している道の駅併設の温泉「多摩源流温泉 小菅の湯」。宿泊者が無料で利用することができる。
サウナや露天風呂もあるほか、施設内には休憩室が点在。チェックアウト後でも利用できたので、外でのアクティビティを一通り終えたあと最後に温泉に入って車で帰宅、という最高の締め括りとなった。
ちなみに、同じエリアにある道の駅でのお買い物ではぜひ小菅野菜を手に取って欲しい。
有名なこんにゃくやここでしか買えない野菜たち。自宅に帰ってグリルした野菜たちを食べたが、旅の思い出にも浸ることができたし、何より息子が率先して食べていて嬉しかった。
今回は食べそびれた、話題の窯焼きピザも次回の楽しみのひとつ。
さまざまな体験に加えて温泉まで楽しめる小菅村のNIPPONIAにすっかり魅了された私たち家族。最後に客室など施設の様子を載せておく。
施設紹介:「NIPPONIA 小菅 源流の村 崖の家 」
今回私たち家族が泊まったのは、2棟ある崖の家のうち最大6名(内大人4名)まで泊まれる「KONAGATA 1 FOREST VIEW SUITE」。
2階建ての古民家を改修した一棟貸しは、中に入ると絶景が広がっている。なぜならこの家、崖の家という名の通り、崖っ淵に建っているのだ。
入り口は2階。階段を降りると1階のベッドルームにはクイーンサイズのベッドが2つ。間には壁があるので、三世代でも利用しやすかなという印象。
水回りもとても清潔に保たれていて、お風呂は広々としたバスタブに自動お湯張り機能と、まるで自宅のように快適に寛げる。
アメニティは最低限必要なものが揃っていて、女性用スキンケアもあるのはありがたかった。(本当に持っていくのを忘れてしまったので助かった)
一番のお気に入りはキッチン。
手ぶらできてもちゃんとした料理が作れるよう、調味料がしっかり揃っていて素晴らしい。そしてなんと言ってもキッチンから見える緑溢れる景色に癒される。
子供用の食器や椅子もちゃんと用意されていて、小さなお子様連れでも安心・快適に過ごせる空間だった。
数々の写真を見返しながら、お部屋まで運んできてもらえる出来立ての絶品朝食と、そのあとプランに付帯していたコーヒーセットで朝から夫と息子が淹れてくれたコーヒー片手に窓辺で過ごす時間は格別だったなぁと。
ここに訪れて以来、すっかり地方創生や小菅村に興味津々になり、このblogを書き終えたら読もうと思って買った本がある。『700人の村がひとつのホテルに 「地方創生」ビジネス革命』は、小菅村のNIPPONIAホテルをはじめ、小菅村全体の地方創生に関する本だ。
私一人で地域に貢献できることは少ないけれど、収穫体験に魚釣り、温泉まで入れる人口700人の小菅村。旅育としておすすめの小菅村という旅先を、少しでも多くの人に知ってもらえたら嬉しい。
NIPPONIA HOTEL 函館 港町
HP:https://www.vmg-hakodate.com/
*各施設の営業時間は公式サイトをご確認ください